28日の米国株式市場は、主要3指数がそろって下落した。S&P 500は7,683.69ポイントで前週末比0.77%安、NASDAQ 100は30,276.81ポイントで1.08%安、ダウ平均は51,481.51ポイントで0.67%安だった。ハイテク株の比重が大きいNASDAQ 100の下落率が、ほかの2指数を上回った。
この日は原油価格と米国債利回りの上昇が市場で意識された。ロイターは、米国とイランの和平協議を巡る不透明感を背景に原油が上昇し、金利も高止まりするなか、株式市場は下落したと報じた。週末に米国側がイランの提案を退けたことが、インフレへの懸念を改めて強めたとされる。
当サイトのチャートでは、3指数とも取引序盤に大きく下げたあと、日中に一度持ち直す場面があった。しかし終盤には再び弱含み、そろってマイナス圏で取引を終えた。ロイターも、序盤の下げが一時縮小したものの、原油と金利、米連邦準備制度理事会の政策見通しを巡る警戒が続いたと伝えている。週内には米国の雇用関連指標の発表も控え、市場参加者は次の材料を待つ展開となった。
午前の急落と、正午過ぎの戻りが失敗
米東部時間で概算すると、10時30分〜11時ごろに主要指数がそろって下げを深めた。S&P 500は一時、前日終値から約1%下の水準へ向かい、NASDAQ 100も同じ時間帯に大きく押す。その後は戻り、12時台にも水準を切り上げる場面があるが、前日終値の線には届かない。13時台以降に反発が鈍り、15時台には再び下向きとなった。安値から買い戻す動きはあっても、売りを逆転させるほどの力はなかった。
原油と米金利の上昇を背景にした下げでは、企業の利益予想だけでなく、その利益をいくらで買うかという評価の問題が前面に出る。中東の和平を巡る期待が後退し、エネルギー価格が再びインフレ懸念を強めたことは、朝の売りと整合する。一方、仲介交渉への期待は戻りを支える余地もあった。正午過ぎの反発は、こうした好悪材料の綱引きのなかで売られ過ぎを買い戻した動きと捉える。和平期待の後退が売りを促し、交渉への期待が戻りを支えるという背景は、反発と再下落を繰り返したチャートの流れに合う。
NASDAQ 100の弱さに表れた評価調整
NASDAQ 100の下落率がS&P 500とダウより大きかったのは、成長株の将来利益に対する評価が金利の影響を受けやすいことと整合的だ。AI需要が突然なくなったというより、同じ成長期待に対して支払える価格が低くなった相場とみる。原油高から物価、物価から金利という経路が意識される局面では、好業績の企業でも株価が下がり得る。事業の強さと市場が許容する評価倍率は分けて考える必要がある。
この日の反発は前日終値まで戻らず、午後の売りを止められなかった。したがって、安値からの戻り幅だけを見て買いの強さを判断するより、戻った先で再び売られた点を重く見たい。翌日の確認点は、原油と金利が落ち着いたときにNASDAQ 100がほかの指数より速く戻るかどうかだ。もし成長株の回復が遅ければ、目先のニュースへの反応を超えた持ち高の整理が続いているという読みにつながる。
主要指数終値
- S&P 5007,683.69 −0.77%
- NASDAQ 10030,276.81 −1.08%
- ダウ平均51,481.51 −0.67%