9月29日の米国株式市場は、主要指数の方向が分かれた。S&P 500は7,670.84ポイントで前日比0.17%安、ダウ平均は51,349.92ポイントで0.26%安。一方、NASDAQ 100は30,339.33ポイントと0.21%上昇した。前日の3指数そろっての下落から、ハイテク株中心の指数だけが小幅に持ち直した形だ。
AP通信によると、米国の長期国債利回りが再び上昇し、株式市場の重荷となった。米10年債利回りは5.25%に達し、原油価格の変動とともにインフレや金利の先行きへの警戒が続いた。北海ブレント原油はこの日1.7%下落して1バレル96.16ドルで引けたが、高い水準には変わりない。AP通信は、エヌビディアが序盤の上昇を失って0.7%安で終えた一方、ブロードコムは1.6%上昇したとも伝えている。
当サイトのチャートでは、S&P 500とダウ平均は取引中に下げ幅を広げた後、終盤にやや戻したもののマイナス圏で終了した。NASDAQ 100も日中に前日終値を下回る場面があったが、引けにかけて持ち直した。株式市場全体が一方向に動いたわけではなく、銘柄や指数ごとの強弱が目立つ一日だった。
11時台の下げと、14時台からの買い直し
米東部時間のチャートでは、S&P 500は朝方に前日終値付近で推移したあと、11時〜11時30分ごろに下げを強める。NASDAQ 100も朝のプラスから押し戻され、正午過ぎにはマイナス圏に入った。ダウは午前の下落後、昼の時間帯も安い位置が続く。共通するのは14時〜15時ごろの反発だ。ただしNASDAQ 100は前日終値を上回るところまで戻し、S&P 500とダウは届かなかった。午後の買い直しは市場全体で起きても、その強さには差があった。
米金利の高さは朝から株式の評価を圧迫する一方、原油の下落はインフレ懸念を和らげる材料になる。この二つが逆方向に働いた結果、株を全面的に買うより、売られた銘柄を選んで戻す動きになったとみる。朝の下げを受けたあと、成長期待の強い大型株に再び資金が向かったという読みは、NASDAQ 100だけがプラスで終えた形と整合する。金利の高止まりを無視した強気ではなく、買う対象を絞った反発だった。
NASDAQ総合とNASDAQ 100は同じではない
この日のように指数間の差が小さく見えるときほど、どの指数を見ているかが重要になる。NASDAQ 100は大型の非金融企業を中心とする指数で、NASDAQ総合とは構成が異なる。本記事のチャートと終値表はNASDAQ 100を扱っている。米国市場全体が反発したという説明ではなく、大型成長株の一角がほかの指数より回復したと読むことで、当日の実態に近づける。指数名を取り違えると、相場の広がりまで逆に解釈してしまう。
また、14時台からの戻りが引けまで完全に伸び続けたわけではなく、終盤には一部が押し戻されている。買い戻しは確認できるが、新しい上昇トレンドの起点とまでは評価しない。翌日の焦点は、午後に回復した価格帯を朝から維持できるか、そしてダウやS&P 500へ買いが広がるかだ。ドル円は24時間の範囲で比較的小さな上下動が中心で、株の午前と午後の差を為替の一つの急変に集約しにくい。株式内部の選別と原油・金利の綱引きを主軸に読むのが、この日の説明として適している。
主要指数終値
- S&P 5007,670.84 −0.17%
- NASDAQ 10030,339.33 +0.21%
- ダウ平均51,349.92 −0.26%