雇用統計前に広がる利益確定
2日の東京市場は反落した。日経平均は68,309.46円で引け、前日比647.26円安、0.94%下落。TOPIXは4,091.00、40.98ポイント安の0.99%下落だった。岩井コスモ証券の大引け市況では、米雇用統計を控えた手仕舞い売りが優勢。直前2日間の急上昇で利益が積み上がったところに、週末と重要指標が重なり、買いを続けるより持ち高を軽くする動きが勝ったとみる。
チャートでも午前の戻りが続かず、後場は安値圏で横ばいだった。東京エレクトロンやソフトバンクグループが大幅安となり、三菱UFJなど金融株にも売りが広がった。同証券によると、プライム市場の値下がりは1,306銘柄、全体の8割強。日経平均だけの調整ではなく、幅広い銘柄で利益確定が進んだ。
電線・資源株に買い、為替は金利に反応
一方、資金の逃げ先は残った。米国の中国製光トランシーバー規制強化を受け、代替需要への期待から古河電工、住友電工、フジクラが大幅高。原油上昇もINPEXやENEOSを支えた。指数は下げても、具体的な需要増や販売価格上昇を見込める分野には買いが向かった。
ドル円の24時間チャートには夜間の急落と反発が見える。FOREX.comは、1日23時30分ごろに米長期金利が低下へ転じ、損切り注文を巻き込んで157.25円まで下げた後、158.20円を回復したと報告。金利低下でドル買いが崩れ、注文の連鎖が下げを増幅したと捉えられる。株式も為替も、米雇用統計前に積み上がったポジションを整理する一日だった。
10時台の下げのあと、午後は安い位置で横ばい
日経平均とTOPIXは寄り付きから前日終値を下回り、最初の30分ほどの戻りも続かなかった。チャート上では10時15分〜10時45分ごろに下げが目立ち、その後に日経平均がいったん戻しても、前日終値の線までは届かない。後場は日経平均が安い位置で横ばいとなり、TOPIXは終盤にも水準を下げた。朝の急落を大きく買い戻す日ではなく、下がった価格帯で取引が落ち着いた形だ。
直前2営業日の大幅上昇と、当日夜の米雇用統計を前にした状況を合わせると、高値で増えた持ち高を週末前に軽くする売りが優勢になったと読む。雇用統計そのものは東京市場の終了後に発表されるため、午前の下げを統計結果への反応とは書けない。重要な材料を迎える前のリスク調整が、半導体や大型株の利益確定と重なった相場だ。前日の強い上昇を受けて始まった一日だからこそ、朝の戻りが売られた点が意味を持つ。
前夜のドル円急落と、当日の日本株を分ける
ドル円の24時間線には大きな下落と戻りが含まれる。当日の朝の為替総括は、この急落が前夜の日本時間23時30分ごろに米金利の低下とともに起きたと説明している。日本株が10時台に下げた動きとは時刻が違うため、両方を同じニュースの瞬間反応とするのは避けたい。日本株は、前夜の金融環境の変化を引き継ぎながらも、前日までの上昇に対する利益確定と、これから出る雇用統計への警戒を新たに織り込んだと考える。
日経平均とTOPIXの下落率が近く、多くの銘柄が下げた点からは、前日の半導体集中の反動だけでなく、市場全体でリスクを控えたことが読み取れる。そのなかでも電線や資源関連に独自材料による買いが残ったのは、すべての企業の見通しが一斉に悪化したわけではないことを示す。午後の横ばいは売りが一巡した可能性を示す一方、高値へ戻す買いもまだ弱い。次の取引では、雇用統計を消化した海外市場の動きとともに、この午後の価格帯を上回って始められるかを見たい。
主要指数終値
- 日経平均68,309.46円 −0.94%
- TOPIX4,091.00 −0.99%